5日目

 空は様々な表情を持っている。

朝焼けや夕焼けはもちろん、雲の一つ一つで表情を変えてくる。

「…ふぅ…」

海辺で今日も空を見る。私は空のように、いろんな表情は持っていない。

いつも真顔の私は、クラスメイトからも避けられているような存在だ。

「…私って、何か悪いことしたかな…」

ただ、無表情なだけ。それの何が悪いのだろう。私は、誰にも迷惑をかけていない。

私は、ただ、無表情なだけだ。

「…それの何が悪い!」

いつもからかってくるあいつらは何なんだ、避けているあいつらは何なんだ、私は何もしていないのに。

 …そんなことを考えるのも面倒だ。私は、空を見上げた。

「私は、私らしくていいじゃん」

 これからも、自然に生きよう。見上げている空は、やけに綺麗だった。

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