第46話
照れてる場合じゃないのに、なかなか頬に集まってきた熱が冷めてくれない。
「…、るみ、鳴海、聞いてる?」
遙人くんの声が耳に届き我に返ったあたしは、なんとか落ち着きと冷静さを取り戻した。
「…あ、ごめん、ね、?」
「ふふっ、何で謝るの?それで、鳴海は俺の何をそんなに知りたいの、?」
__ いま笑った?!こんなに優しく笑うんだ。不意に笑って見せるなんてズルい。
そんな遙人くんにいちいちあたしの心臓は反応して脈打つもんだから頭が一瞬で真っ白になる。
ふぅ、と一息吐いたところで、
「…匠海から聞かされたんだけど、
昔の記憶全て無くしてるってほんと、?」
「うん、そうだよ。てか匠海のヤツ、俺の許可無く勝手に話したのかよ。」
「知られたくない理由でもあったの、? 」
そう返すと彼の顔からは先程見せてくれた笑顔など消えて、一気に曇り、顔色も悪くなる。
「 …悪ぃ、それは今は言えない 、」
__ やっぱり予想した通りだった。ちょっと近付けた?なんて自惚れちゃったけど、そんな簡単に自分の事を話してくれる訳が無かった。
「鳴海はそれを知ってどうなるの?」
「どこかで安心したい、んだと思う。」
「 え、? 安心 、? 何に対して、?」
「私自身がずっと探して、未だ見付かってない
___ だけどそれに辿り着くまでには
まだまだ掛かりそう ____ 。
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