第7話 俺が坂本龍馬に転生して倒幕を果たします!

外の騒がしさに目が覚めると俺は薄汚れた畳の上で寝ていた。

何故こんなところに・・・俺は夢を見ているのか・・・

ガラっ!

「おんしゃあ!、誰が~?」俺は引き戸を開けて入ってきた人影に向かって声を荒げた。

んっ 何故だ!?

俺は自分が今まで使ったことのない方言でしゃべっている事に気づく。これは高知弁か?

「龍馬!、おんしゃあ!生きとったが~!?」

なに!?龍馬?

もしかして俺は幕末の志士、最近はその功績が全部司馬遼太郎の作り話だったとかで評価がだだ落ちして教科書からも記載がなくなったあの坂本龍馬に転生したのか?

「あ、頭がいたいぜよ!おんしゃあ!、誰が~?わしは誰が~!」

俺は多分、この男は中岡慎太郎だろうなと思いつつも頭を抱えて叫ぶ。記憶喪失を装ったのだ。

やはりこの男は中岡慎太郎で俺に色々と教えてくれた。

どうも俺が転生した世界は俺の以前いた世界、2025年の日本と幕末の日本とが混ざった世界のようだ。

「そうじゃ!わしは坂本龍馬ぜよ。倒幕するために薩摩と長州を同盟させるべく仲介しようと会見の場に向かっていた途中で山本信者の共産主義者に襲われて・・」

「山本信者って誰が?共産主義ってなんじゃ?」中岡慎太郎が首を傾げた。

「すまん、慎太郎。新選組じゃ、新選組。ところで倒幕運動の盛り上がるのほうはどうじゃ?」

「それが・・幕府側が盛り上がっているんじゃ」

「なぜじゃ?」

「幕府の開国によって亜米利加から入ってきたハンバーガーなる食い物が庶民の間で大人気になったんじゃ。しかしハンバーガーは一つで170疋もする。しかし庶民は異国の食い物でありがたがっておる。そのハンバーガー人気が幕府の人気となったのじゃ!」

「まことか!それは困ったのう」俺は頭を抱えた。

しかし天才の俺はすぐに妙案を思いついた。

「慎太郎、今から薩長の会談の場にいくぜよ」


会談の場では西郷隆盛と桂小五郎はお互いの腹を探るべく無言でのにらみ合いを続けていた。

「お、西郷どん、桂しゃん、遅くなってすまんぜよ」と俺は頭を下げる

「坂本か、おまんさーの目論見は外れたごわす。ハンバーガーで幕府は一気に盛り返してきたでごわす」と西郷

「坂本、ハンバーガーが日本の津々浦々に普及しちょる、もう勝ち目はない」桂も肩を落とす

「西郷さん、ところで薩摩では最近ハンバーグを作るようになったとか、それもかなり安い値段で売れると聞いとるますぜよ」

「坂本、もともと黒豚の加工をしとるからハンバーグの量産など簡単でごわす。1枚40疋で売れる」西郷は胸を張った

「西郷さん、それはすごい!ところで桂さんのところで最近食パンの製造を始めたと聞いておりますぜよ」

「おうよ、わが長州の山口製パンは大量生産で8枚切りの食パンを80疋で販売しちょる」

「西郷さん!桂さん!それです!薩長が同盟してパンバーガーを作って売ればいいぜよ!」

「パンバーガー?なんでごわすか?」

「西郷さんのところの40疋のハンバーグ。それを長州の1枚10疋の食パンで挟む、さすれば60疋でハンバーガーを味わうことができる!これが薩長同盟のパンバーガーぜよ!」

「おう!幕府なら170疋のハンバーガーが薩長同盟のパンバーガーなら60疋!これなら勝てるでごわす」西郷の顔に生気が戻る

「西郷はん、やりましょう、薩長同盟のパンバーガーを」桂も喜色満面だ。

「しかし坂本、いくらパンバーガーが素晴らしくても庶民に広める方法が問題でごわす、何か案はあるのか?」と西郷

「音頭ぜよ!パンバーガーでええじゃないか音頭で広めるぜよ」

「すばらしい!早速、草のものを全国に派遣してパンバーガーでええじゃないか音頭を広めちょる!」


ハンバーガーなら170疋、パンバーガーなら60疋♪♪


ええじゃないか♪ええじゃないか♪パンバーガーでええじゃない♪


パンバーガーでええじゃないか♪音頭とパンバーガーは瞬く間に全国に広まった

パンバーガーの普及とともに薩摩長州の名声は広まり、幕府の信用は失墜し、ついに倒れた。


坂本龍馬は薩長を結び付けパンバーガーによって幕府を倒した英雄としてその名を長く歴史に刻んだのでした。


めでたし めでたし

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干しそばくんと呼ばれた俺が転生して世界を平和にします 干しそばくんと言われた男 @uhyo_ojisan

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