第5話 俺がゼレンスキー大統領に転生してマスクをやっつけます

大きな揺れに目を覚ますと俺は旅客機のファーストクラスの席にいた。

何故こんなところに・・・俺は夢を見ているのか・・・

トン!トン!トン!

「大統領もう少しでワシントンです。」

「そうか」

耳元で囁く声にこたえる俺。

んっ 何故だ!?

俺は自分の知らない言語で喋っているのだ。

なんとなくロシア語のような気もするがどうも違うらしい。

スーツ姿の男が俺に寄ってきて告げる。

「ゼレンスキー大統領、すでにご存じの通りトランプ氏との交渉はかなりハードなものになると思われます。」

なに!?ゼレンスキー?

俺は自分の着ている服を確認した。汚らしいカジュアルウェアである。

もしかして俺はあのウクライナのちんこピアノいやゼレンスキーに転生したのか?

「あ、頭がいたい!私は誰なんだ!ここはどこだ?!」

俺は頭を抱えて叫ぶ。記憶喪失を装ったのだ。

すると秘書官らしき男性はそれを信じて俺に色々と教えてくれる。

どうも俺が転生した世界は俺の以前いた2025年の世界と同じような世界だった。

しかしロシアはウクライナには侵攻しておらずドンパス地域にてピロシキ店を大々的に展開するなどして経済的な支配を強めている。

「思い出したぞ。俺はウクライナ大統領のゼレンスキーだ。選挙してないけどずっと大統領だ!永年大統領だ、しかしトランプは何が不満なんだ」

「ゼレンスキー大統領、我が国とアメリカがウクライナドンパス地域で共同展開するハンバーガーショップの値段設定です。

一番安いハンバーガーを1個1.7ドルに設定しているのですがトランプの側近のマスク氏がそんな価格帯では貧乏なウクライナでは売れないはずだ。事業計画がおかしいと因縁をつけているのです。そして、その言葉をトランプ氏が鵜呑みにしているのです」

これはまずい、マスクがこのプロジェクトにけちをつけるのは自分が絡んでいないからだろう。

やばい、このままでは会談は決裂して共同声明も出さずじまいだろう。

そのうちに俺は大統領からひきづり降ろされるだろう。

「確かにマスクの言うのも一理ある、よし俺に任せろ、策がある」

俺は秘書官に空港についたら急ぎ買い物をしてくるように頼んだ。


ワシントン空港に到着の翌日に会談が始まった。

「やあゼレンスキー大統領、君はまずい立場にある、君にはカードがない」トランプ氏は早速攻撃してきた。

「我々ウクライナはもう3年もハンバーガー店を展開してきた。結果を出している。」俺は反論した。

「アメリカ産牛肉のおかげだ。もっと感謝しろ」

「ドンパス地域で店舗を増やせればロシアのピロシキ店を排除できる」

「ゼレンスキー大統領、それは空想に過ぎない。1,7ドルのハンバーガーではピロシキには勝てない、お前にはカードがないのだ」

「トランプ大統領、我々にはそのためにパンバーガーがあるのです」

「パンバーガー?なんだそれは?そんな事よりもっと感謝しろ」

「最初から説明させてください。これはご存じですか?これはマルシンハンバーグです。

マルシンハンバーグは3個入りで2.5ドルくらいですが、私の使っている安売り食品店で1.2ドルで買えます。ですから1個0,4ドルです」

「ゼレンスキー大統領、そんな安売り店はどこにあるものではないぞ?お前の頭は梅毒バイデンか?」

「そうですか。でも業務用スーパーがあれば冷凍のハンバーグは1個0,4ドルで買えます」

「なるほど」

「これをご覧下さい、これは業務スーパーの8枚切りの食パンです、0.8ドルですから1枚あたり0.1ドル」

「おお、ゼレンスキー大統領が業務スーパーや安売り食品店を知っているとは!」

「0,4ドルのハンバーグに2枚0.2ドルの食パンで挟む。そうすれば0.6ドルでハンバーガーを味わうことができる。これがパンバーガーなのです!」

「ハンバーガーなら1.7ドル。しかしパンバーガーなら0.6ドル!」

「そんな素晴らしいことを教えてくれるなんて、さすがは選挙なしの永年大統領ゼレンスキーだ!」

報道陣も側近たちも口々にゼレンスキーとパンバーガーを褒めたたえる

「ゼレンスキーは救世主じゃ!しかし許せんのはマスクだ」

「Xの投稿を片っ端から開示請求してやる!」

「テスラよりハイブリッド車のほうが優位な事を動画でステマしてやれ」

報道陣と側近たちの怒りは一気にマスクに向かった

「皆様!ご静粛に!いかなる場合でもステマと偏向報道はだめです!」

「ゼレンスキー大統領、それでは国民の怒りはどうすればいいのですか!」

「不買です。皆様がXやテスラ、ピロシキ店を利用することをやめる。パリ協定などには惑わされない

そして何よりパンバーガーを皆さまが普及することがマスクやピロシキをやっつけることになるのです」

「そうか!ゼレンスキー大統領、分かりました。Xやテスラ、ピロシキの問題を報道いたします。」

「ペンの力でマスクとピロシキをやっつけるぞ!エイエイオー!」

「パンバーガーでマスクとピロシキをやっつけるぞ!エイエイオー!」

報道陣たちのエイエイオー!は数時間も続いた

そして数カ月の後、マスクは破産したのであった。

ゼレンスキー大統領はウクライナ東部からロシア系ピロシキ店を撤退させ、民衆を虐めるマスクをやっつけた事でその名を長く歴史に刻んだのでした。


めでたし めでたし

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