第31楽章 メンバー選考
この
コンクールには出場人数の
もちろん基本的な演奏ができていることが条件とはなるが、その点については
たくさんの人間がいると、どうしてもその中にサボる人が現れると言われている。働きアリの法則というらしい。働きアリの中には働かないアリが2割いるのだそうだ。ところがその2割を取り
いや待てよ。その理論を逆に考えれば、働くアリが
「いけない、
神楽坂はメンバー選考に
まず1つめは学年に関係なく、メンバーを選考するということ。
もちろん3年生を優先的に選んであげたいとは思っている。だが、3年生は選考なく出られるとわかれば手を抜く生徒が出るかもしれない。1年生はどうせ出られないと思えばやる気をなくすかもしれない。2年生も、1年生に
そしてもう一つ、たとえ選ばれなくても、
選ばれなかったということを生徒たちの黒歴史にしてしまうのではなく、それでもなお清流高校のメンバーとして一緒に活動する、ステージに乗れなかったが清流高校の生徒としてコンクールに参加したという、この夏の大事な思い出とし、これからの
そうすれば、音楽を好きな気持ちはなくならないだろうし、
何年かたってそれを思いだした時に、どちらの生徒にも同じように良い思い出として記憶に残ってほしいと神楽坂は思うのだ。
♪今日のワーク――――――――――――――♪
人数が多い部活だと、どうしても出られない人が出てきてしまうよね。
それは、音楽だけでなく、スポーツでも同じだと思います。
選ばれた人だけが、主役なのか。と言えば、僕は違うと思っている。
選ばれた人はもちろん、人前に出て演奏をし、それを直接評価される立場になる。
けれど、一緒に練習してきた、選ばれなかった人がいたからこそ、その人が今その場所にいるのだし、その存在すら選ばれた人の音に加味されていくように感じています。
そして選ばれなかった人も、そこで終わりではありません。あなたの音楽はそこからも続いていくし、コンクールに出るメンバーをサポートし、応援するという大事な役割が残っています。舞台袖で、ステージの演奏を聴きながら心の中で一緒に演奏している。そして演奏が終われば
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