第15楽章 ソロが吹きたい
ホルンパートの
「
「私はハモリや伴奏ばっかり。つまんない」
確かに、上手い人がソロを担当することは多い。が、高校の部活だしそこにこだわる必要はないかなとも神楽坂は思っている。とはいえ、
「
神楽坂がたずねると、
「どのソロを吹きたいとか、そういうのあるの?」
「ソロっていうか、課題曲のCのところ、あのメロディいいな、とは思ってる」
なるほど、と思いながら「じゃあ代わってもらう?」と聞くと
「わかってるんです。巽くんの方が上手いって。あのメロディだって、私よりも上手に表現できるって、わかってるんです。けど、みんなが当然巽が吹くって感じになるのも悔しいし! そんな風に、思っちゃう自分も、悔しいし……」
最後は少しトーンダウンして、一転泣きそうな顔になる。
「君には君の音がある。俺は好きだぞ、四谷さんの音。久保山くんのような華やかさのある音じゃないが、よく響く、あったかい音だ。あの旋律はそれぞれの色が出ると思っているから、僕は、どちらが吹いてもいいと思ってるけどね」
「ホント?」
「本当だ。ソロや
「よく、わかんないです」
「もしそれでも吹いてみたいと思うなら、オーディションでもなんでもやってあげるよ。久保山くんに『自分も吹きたい』と伝えてみるんだね。言いづらいなら僕から言ってもいい。久保山くんはそんなにファーストを吹くことにこだわってはいないと思う。四谷さんはどうしたい?」
「自分で
今日のワーク----------------------------♪
パート
上手い人がファーストばかり、ということもあるよね。もちろんその方がうまくいくってこともあるけど、たまには違うパートを吹いてみたい……なんて思っている人もいるかも。
もちろん3年生や先輩がソロや旋律を担当することが多くなるのは仕方ないと思うけれど、パート割はその楽譜を1番うまく表現できるのは誰か?ということも考えて決めるといいかもね。
ソロを吹くのが得意な人。伴奏やハモるのが上手い人。リズムが得意な人。それぞれに
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