#誕生日おめでとう、でしたか?あの時は

STORY TELLER 月巳(〜202

#誕生日おめでとう、でしたか?あの時は

#誕生日おめでとう、でしたか?あの時は

2022.12.17

【storyteller byTukimi©︎】

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10分蝋燭なる、蝋燭を見つけて。


災害時ね、備えになる?なんて、しまい込んでいたそれを。

試しに耐熱皿に、灯して眺める。

一緒に備えていたマッチも、湿気ておらず、大丈夫だったが、恐る恐るした力加減が足らなくて。


かと思い力入れると、うっかり折れて。

三擦り目で火を灯す。



たまたま、年末に向けて掃除をしなくてはと、詰めただけのスペースから、出てきた、一時的に震災やら停電やら、ウィルス対策のシャットダウンやら、不安ばかりがニュースになる時期に。


買って安心するならと買った、蝋燭は。

同時期蓄えにした食べ物たちと違い賞味期限切れがなく。

奥の棚にしまい込んでいたのだけど。


気まぐれに。

「灯して見るか」


偶々TV売り場のCMが、クリスマスケーキの蝋燭を子供が吹き消す、そんな家族団欒を見たから。

灯して、眺める。


で、消えたらもう一回と、蝋燭を手にするのだけど。

なかなか。軸の紐?が下まで通り過ぎて、蝋部よりはみ出ていて。

ただ立てるとすぐ倒れ、上手く立たないものがあるのを、知って。

蝋燭立てって必要があるんだなぁと、しみじみ、数分かけようやく火がついた姿をただ眺める。


蝋燭と言えば。

ゆらゆらする炎は飽きないし、見たいのだが。

この匂い、溶ける匂い、が気になり。

2本灯して、消えた皿を眺めたまま、匂いにふける。


そう、悪い記憶じゃない。

懐かしい、多分、小学生になったばかりの、

最後の楽しかった誕生日の記憶が。


今の私には。

幸せすぎた記憶と、今の差に、寂しさしかくれなくて。

だから、自分気持ちもやもやと、したらしい。



幼稚園の頃、人気の魔法少女グッズを、貰い。

一日中光がチカチカし音楽が鳴るそれを、持ちながら、アニメで活躍する中学生と言う魔法少女の動作を真似て。


それを見る母が、演じる私を上手ね、なんてエプロンでてを拭きながらいた年と、

その次のお人形さんセットを貰った翌年までは、記憶があるから、多分。

私はその時欲しいものを貰ったんだろう。


クリスマスが、欲しい物をもらえる日ではなく、ビミョウな、伝記の本とか、多分デパートではなく近所の量販店の一着3500円くらいのトレーナーだの、可愛さじゃ無い服だの。

で、確か、プレゼントどうこうよりも、

仲良いふりして皆んなで集まる、自分の誕生日だの、上滑り張り切って作った母の料理だけで、より、物悲しい食事だの。


そして、最後は、誰とも過ごさない日になっていったから。


あまり。

蝋燭も、今思えば、生クリームのケーキが苦手なのも、その辺りに原因があるのかもしれないが。


「今更よね」


クリスマスケーキを思うと、誕生日についても、同じ年くらいに、楽しい時間になることを諦めた、あの頃は。


クラスメイトを誕生日会に呼べないとか

クラスメイトの誕生日会に呼ばれないことが、友人関係を左右して。


友人を呼んで誕生日会呼べない私に、お誘いもなく。


クリスマスみんながプレゼント交換の話をしながら横を歩き去るのを聴きながら。

寂しく無いふりを良くしたけど。


ありがたいことに、年が行けば。

祝う物感が、減る。

普通の世の人も、歳をとるのが一番嫌な時期が来て。


誰かといたら気にされるけど。

私一人でいたら、黙っていたら、いつ誕生日かすら分からない。

分かって、スルーされても、だし。

知った上で祝って頂く、その時どんな顔をしたらいいか、いまいちわからない。



燃え滓を見ればまた嫌な気分が盛り上がるから、流しで洗いながら。

ふと、考える。



今は昔、だけど。

確かにあの時私は祝福されていたんだよなあって。


思い出しても、全く現実味が無い、

TV画面の中の、幸せな光景を、外から眺める気持ちになる、それは。


——あったから、悲しくて。

——ないから悲しい。


なんか鼻だか胸だか、目だかに。

込み上げ出来そうなその、理由、感情の味が感じたくなくて。


蛇口を思い切り捻り、音を立てて皿を擦り、

何度も何度も裏表ながして。

ぴっぴっぴっと水を切ったら。


「はい、お終い」


とりあえず。

気持ちは先延ばしにして、お気に入りの、

アップテンポな曲に合わせて。

ついでに流しを磨いて。

掃除して。



大丈夫。

悲しくても、いっときだし。

悲しいままでも、生きてはいける。


いつか忘れてしまうまで。

出たら奥に詰め直しても。

ひっぱりだして、痛みをわざわざ感じに行っても、いい。



直して、なんて出来ないし。

いつも、楽しくなんてない。

だけど。


笑える力が、あれば?ギリギリ。

死に損ないな心はいつも、立て直せる。


そうでしょ?

と、言い聞かせている私はまだ、まだ、人生に期待をしたいらしい。




-お仕舞い-




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【後書き☆今宵は少し話を】


寂しさ、があるのは。

あったはず、あるはずを見て嘆くからなんでしょが。


寂しくてばかりを言う人は、

ある物がなくなると気にする癖に、あることに無頓着では?と。


私は私が持たない物を、持ちながら嘆く人を見るとたまに多分偏頭痛の時見るからか、堪え難く、内心腹が立つことがあります。


また。

世間で言うほど、祝う日に、本気でイエスキリストさんを祝っている人や天皇陛下の誕生日を祝う、より。

休みだから嬉しいぐらいの、それを、楽しまない人はダメですか?


休みなら自由なのに。

誕生日も、クリスマスだろうと、も。


ちゃんとある物に感謝し、あるいは、ありがとうと、お別れの声を掛けて。

私は大掃除を、まるで、人生の終活ってこんな感じ?と思いつつ。

すでに、来年2月前な気分で、ガンガン整理していますが。


休みの日。

貴方がしたい過ごし方をして、本当に体が休まる休日でありますように。


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