アタシの価値はイクラ?


「ねぇ、アタシの事いくらで抱ける?」


人混みの中で

通るオジサンに問いかける


「え…えと…困るなあ」


「いいから」


「いいから、価値を教えてよ」


「生きてる価値を教えてよ!!!」


思わず叫んで泣いてしまった。


アタシの価値が分からなくて

解らなくて

知りたくもなくて

でも

必要とされたくて


色んな事を試してきた。


幼い頃

実の父親からの性的なアレ。

そこから変わるアタシの価値観。

もう逃げたい衝動に駆られても

逃げられない、ニゲラレナイ。


「あぁ、価値がない。」


人間なんて。そんなもん。


男は女を見れば、そういう風になって

あーなって、こーなって

至るわけで。


で?ってなって。


よくある漫画の話なんて

漫画だけなんだよ、バーカ。

って思ったりしちゃって。


見事に捻くれてしまった。


高校も単位ギリギリ

身体を売って散財の日々。

親の言うことも知らない。


そして入った風俗の世界は

アタシを必要としてくれた。


でも




歳には逆らえない。




「アタシの価値は?」


「生きる意味は?」


「アタシは、いくら?」


「教えてよ!!!!!!」




もう遅かった。

気づいた時には、もう

泣き叫んでも

届かない場所にいたんだ。

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柊 こころ @viola666

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