第7話
「人間じゃないから出来るぞ…かず、肯定しないとどうなるかわかる?」
体がどんどんと黒くなる。そして、服が破けていてどこのパーツからかは曖昧になってしまった。
「おれの正体だよ」
「悪魔…?」
「そうだよ。しゅーと と、いう奴は、おれには、関係ない」
「かずは、苦しんでいた、だからやったの」
「そうか、俺がしねば上手くいけるのか。なら、了承しよう」
「あっさりとしているんだなお前」
「俳優として困ってたのは知ってる。だからこそ、報われて欲しいんだ」
曇りのない姿勢をおれに向けた。覚悟を決めているかかってこいという意気込みが伝わってきた。
なんで、友達…という脆いものを大切に扱っているんだ。
自分より相手を優先しているのが理解出来ない。
「もういい…疲れた」
「いまから、楽にしてやるからな」
「地獄で待っている」
急に、心臓が激しく動いて苦しんでいる、かずの姿を見守れて嬉しい。
同じ地獄を味わってくれるのが欲求を満たしてくれている。
これからが、本番だ。
おれの仕事だ。
「さあ、どんな結末になるのかな?」
「それは、そうと。」
するり。と話をそらされた。かずにとっては、自白したくない内容だとしても、知りたかった。
最後のお別れだと勘づいてしまった。合っていると思う。
「俺の願いは 現実に帰りたいんだ。助けてくれないか?」
「人間じゃなくても、意思はあるんだな」
「そうみたいだな、今は、ちゃんと、話せていられる。運が良かった」
「すまないが、俺は、何も出来ない」
「そうだよな…ありがとう。なら、ころしてくれ、かず」
「なんでだ。急すぎるだろ」
「もう、人生短いんだ、だから楽になりたい」
「短いだなんて」
と、言葉を続けようとした瞬間、自分の意思とは関係なく、かずのようなものに、近づいていく。
そして、いつの間にか持っていた、ナイフで、刺し殺してしまっていた。
この後、しゅーとからの声が聞こえなかった。
ーー
薄い氷の上に、立たされてる気分になっていた。
思考が追い付かない。
しゅーとがいない?友達だったはずなのに?
まるで、最初から存在すらなかったように記憶が思い出が消えていく感覚がした。
俺は、一体、誰と話していたんだろう?
疑問が沢山浮かんできた。
「それで、いいんだよ。かずくん」
「…そうか」
「このまま、忘れて生きていくんだ、君は」
「…すまない、すまない、すま」
気が済むまで、俺は、ずっと誰かに誤っていた。
もっと思い出を作りたかったな。
今まで感謝しかない。
次に、会うときは、しぬまで仲良くいたい。
ー
気がつくと、自分の自宅にいた。
どういう経緯なのかは、俺には理解できなかった
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