兎角この世は住みにくい(Interlude)
誰にだって秘することはある。そして、言えないことを言いたくなる日もある。
そういうとき、私は話す先を決めている。私を真に分かっている人間か、私のことを何も知らない人間。私を最も理解してくれる人は、今だとええと、腹の底や心根まで分かっているから、私か。で、私のことを何も知らない人間の所在を私は知らないから、こちらは該当者なし。
そんなことばかり考えているうちに、数えて二十四の年を越えてしまった。あ、ここは笑いどころだから、笑ってくれていいよ。そんな真に受けなくてもつまらない冗談を話しても、もう悲しいとすら思えなくなってしまった。たぶん、大人になった。あとはきっと、もう諦めるだけの人生だろう。まあ、こんな笑えない冗談とも言えない何かすら誰かが笑ってくれるなら、もうそれでいいような気もする。で、たぶん、私は今つまらない大人の目をしている。
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