第24話
会場の照明が落とされ、ピアノの演奏と共に、スポットライトを浴びた新郎新婦が入場してきた。
上司の祝辞、乾杯、友人による余興など、披露宴は次々と進んでいき、気がつけば終焉をむかえていた。
私は終始、新郎の友人席に意識を持っていかれないようにしていたせいか、終わる頃にはぐったりと疲れていた。
「アユは二次会参加しないんだっけ?」
「うん、明日仕事で朝早いんだ。ごめんね」
「残念だけどしょーがないか。これから東京まで帰らなきゃいけないんだしね」
席を立ちながら眞理とそんな話をしていると、
「ケイくん、来てたんだね。忙しそうだから絶対来れないと思ってたけど」
隣の千花が、今日初めて彼の話題を口にした。
「潤一と仲良かったしね。あ、けどほら見て。やっぱり女の子に囲まれちゃってるよ。まさかあのケイくんが新郎新婦の同級生で、地方のこんなとこにいるとは思ってなかっただろうから驚いただろうね」
釣られて視線を向けると、五人くらいの女の子に囲まれている彼の姿。
彼女たちはたぶん愛子の大学の時の友人か、会社の同僚なんだろう。
「披露宴中に騒がれなかっただけ、良かったよね」
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