手紙とは、真っ白な紙に黒い文字を書くこと。
それはまるで、黒鍵と白鍵を奏でることのようではないだろうか。
そして、文字もメロディも、時を超え誰かに届く。
ある天才ピアニストの葬儀。弔辞の代わりに生演奏でピアノを引いたのは、彼の親友であり、ライバルのピアニストだった。
演目は、G線上のアリア。そして……幻想即興曲。
見事な演奏だったが、この演奏を見ていた人には、二人で演奏していたように見えたという……。
そして、程なくして、もう一人の天才ピアニストも逝ってしまう。
手紙でやりとりされる、思いと想い。
それは楽譜のように、遠く先まで残り、誰かに届く。
手紙べーすの物語ですが、とても重厚感があります。
それこそG線上のアリアのように。
ご一読を。