第4話 異世界魔王と勇者の作り方2
学「魔素の大元が魔王って、それで良いのか?」
樹「良いのか?の意味が分からないけど、魔素を生み出しているのは魔王。その魔素の影響で魔物が生まれ、または魔物となる。の方が説明がし易いからな」
学「じゃあ、説明お願いします」
樹「何か、飽きてきてないか?まあ、いいか。簡単に説明すると、魔王にはコア、核みたいなものがあって、そこから魔素が発生している。その魔素の影響で魔物が生まれる、または動植物達が魔物化してしまう。ここまでは大丈夫か?」
学「オッケーだ」
樹「お前やっぱり飽きてきているだろ」
学「そんな事は無いよ。ちょっと今話をまとめているだけだからさ。続けて」
樹「本当か?じゃあ続けるけど。魔物化したら人間たちを襲う。そのために人間たちは魔物を討伐しなければならない。でも魔王のいる限り魔物は無限に現れる。そこで魔王の討伐が必要になってくる」
学「勇者の登場か。勇者が魔王を倒して世界が平和になりました、良かった良かった。んっ?それで話を終わりにしていいのか?」
樹「そうなんだよ。なんか物足りないっていうか、何か違う気がするだろ。実際に魔王の登場しないアニメなんかはあるのに、魔法を普通に使っていたりするしな」
学「そうだよな。それに勇者一人で、いや勇者一行が数年から十数年で倒せる魔王なら、勇者以外でも倒せそうだし、もしくはその勇者があまりにも特別過ぎたのか?でも、魔王も復活する時もあるしな。どうなんだ?」
樹「異世界が何年間続いているのかは分からないけど、俺の考えは、まず世界が作られた時人間を初めに作ったが、あまりにも人間たちが簡単に死んでしまった。そこで神は魔素が発生するコアをその世界に置いた。魔素が充満した世界は人間たちは病気に強くなり、魔素が染み込んだ土地は作物がよく育つようになった。しかし欲深い人間たちは次第にそのコアを自分たちだけの物にしようとした。それに怒った神は魔王を作りコアを守らせた。魔王の力は強大で人間たちを簡単に蹂躙していってしまった。そこで、今度は人間たちから勇者となる者を選び魔王を討伐できるようにした」
学「何かいきなり壮大な話になったな。でも、それだと魔王を討伐して世界平和で話が終わりってならないか?」
樹「そうだよ。だから更に神話は続くんだよ。魔王を見事に倒した勇者はその命と引き換えにした。って」
学「どういう事?それがなにか関係あるのか?」
樹「勇者は魔王と相打ちとなって、勇者と一緒に冒険をしていたパーティーメンバーによって、魔王と勇者が相打ちになったって情報が拡散されるんだけど、実際には勇者は死んではいなかった」
学「勇者が死んでいなかった?じゃあ勇者は何処に行ったんだよ?」
樹「勇者は次の魔王となるために長い眠りについていた」
学「ますます話が読めないんだけど?どういう事?」
樹「人間が魔素を吸い込むって話たろ?その吸い込む量が桁違いに大きいのが勇者だ。だから他の人たちと違う特性やスキルを使うことが出来るんだよ」
学「だからそれが何で次の魔王になるんだよ」
樹「魔王を倒すには魔王のコアである部分を破壊しなければならない。しかし普通の人たちではそのコアを破壊することは出来ない。勇者の特別なスキルでないと破壊ができない。そして、コアを破壊された魔王は当然しんでしまうが、元々魔素を出し続けているコアは魔王が死んでしまうと?」
学「魔素が暴発する。もしくは魔素が枯渇して人体だけじゃあなく世界全体に異常が出てくる。それをさせない為に神は次の器として勇者を用意していた?」
樹「この説明が一番しっくりこないか?」
学「確かに一番しっくりくるが、感情がおかしくなるな」
樹「まあな、神からしたら人間の感情なんかは知ったことではない。かもしれないけど、こんな歴史を繰り返させる神って何なんだろうな」
学「本当にそうだよ。そんな世界どうにかなったほうがまだマシまである」
樹「まあ、そんなに熱くなるなよ。所詮俺の考えた世界観だからな。実際にそうとは限らないしな」
学「でも、もしその世界に居たらって考えると、勇者は魔王を討伐しない方がいいのか?」
樹「魔王を討伐しないならしないで、魔王からの魔素が強くなり過ぎて、魔物達が凶暴化していき、やがては人間たちは魔物によって絶滅させられる。ってところかな」
学「勇者一人の犠牲で世界が救えるのなら。って事か?トロッコ問題みたいだな」
樹「人類の滅亡か勇者一人の命か」
学「なにか救いは無いのか?」
樹「救いねぇ。どうかな?少し考えてみるけど」
学「そういえば、さっきしれっと言っていたが勇者の特別スキルって何だ?」
樹「ああ、それは勇者の特別スキルだよ。って言っても駄目か。まずは勇者を説明するか」
学「勇者は神から選ばれた、その特徴として魔素の吸収率が他の人より多い。以外にも特徴があるのか?」
樹「勇者の特徴は魔素の吸収率が一番の特徴だろな。だから他の人よりスキルも魔法も多く使える。でも、それだけだと別に勇者が魔王を倒す必要は無いだろ?コアの破壊を知らなかったとしたら」
学「勇者には勇者たる所以が必要って事か。確かにそうかもな。それで勇者の特別スキルか」
樹「そう、もし勇者より強い冒険者たちが居ても魔王は倒せない。なぜなら、魔王は自分のコアからの魔素で無限に回復できてしまうからな。そこで勇者の特別スキル。このスキルでないとそのコアを破壊することは出来ない。そして勇者にしかその特別スキルは覚えることが出来ない」
学「そうだよな。じゃあ勇者の特別スキルってどんなスキル?」
樹「勇者の特別スキル?どんなの?って、うーん、どれが良いと思う?」
学「考えていなかったのかよ。でも、いざ一つのスキルに決めようと思うと決めきれないよな。作品によっては最高スキルが設定されているのもあるし、最高スキル自体作品に登場しないのもあるしな。ゲームも最強の武器が一つとは限らないものもあるからな」
樹「そうだよなあ。ん?でも一つに絞らなくても良いかも」
学「どういう事?」
樹「勇者一人につき1スキル、その勇者が何人もいる。って事にすれば良いんだよ」
学「勇者が何人もいるって、なんかややこしくならないか?」
樹「ややこしくはならないだろう。勇者が何人だろうが。ちょっと待って少しまとめるわ」
学「うん、よろしく頼む。複数人の勇者ねぇ。確かに広い世界で勇者が一人ってのもおかしい気はするんだよな。最悪勇者が死んでしまった場合に簡単に世界が滅亡してしまうもんな。勇者は絶対に死なないなんて、チート能力じゃなくて作品クラッシャーだよな」
樹「まあな、作品ではほとんどが主人公だから死なないけどな」
学「そうなんだけどさ。実際に異世界に転生して勇者が一人だとして、それが自分ならまだ頑張ろうって気にはなるけど、その勇者が弱かったり、かなり性格が悪かった時にどうしていいか分からなくなるもんな」
樹「確かにそうだな。性格の悪い勇者ただ一人しか魔王を倒せないとなると、本当に魔王を倒してくれるのか、最悪魔王と結託して更に酷いことをするのか、最悪のパターンだな。魔王も勇者も殺せない、でも世界は確実に滅亡に近づいていく」
学「そうだよな。洒落にならん。それで、まとまったのか?」
樹「ああ、ある程度な。今言った状況を回避するためにも勇者は複数人いる。って事の方が良いだろうし、何より特別スキルを一つに絞らずに済む。やっぱり戦闘の醍醐味の一つは必殺技だもんな」
学「何か私情入ってないか?でも、必殺技が醍醐味の一つであることは認める」
樹「やっぱ、そうだよな」
学「それで?続きは?」
樹「あっそうか、勇者が使える特別スキルは一人一つ、普通に考えれば当然だけどコアを破壊するほど強力なスキルを、一人が何個も使えるなんてチートどころでは無いだろ?」
学「そうだよな、体にもかなりの負担が掛かるだろうし」
樹「それに、そんなスキルを連発していたんじゃあ、絶対に死なない勇者レベルで作品クラッシャーになるからな。だから、勇者が複数人いるんだよ。それに、まあそれはいいか。それぞれの勇者がその特別スキルを何時どのように使うのかを、パーティーで考え準備して使わせる」
学「でもさあ、それなら勇者同士でパーティーを組んだら解決しそうじゃあない」
樹「それじゃあ物語がつまらなくなるだろう?全員がチート能力を持っているチームがラスボスを倒す物語なんて。しかも全員がそのラスボスを倒せる能力を持っている、苦戦のない物語になっちゃうじゃあないか」
学「それはそうだけど、じゃあどうするんだよ」
樹「だから、勇者は魔素の吸収率が良いっての利用するんだよ。その吸収率が良過ぎるがために魔物から狙われやすくなる。ってことにするんだよ」
学「人間は魔素を吸収するから魔物から襲われる。それを強力にした感じか。面白い考え方だな。でもそれだけじゃあパーティーを組めない理由としては弱んじゃあないか?」
樹「そう、だから、勇者が三人以上いるとその吸収率の相乗効果で、魔物が大量発生して夜も眠れないほど襲われる。そして街に長期、そうだな一ヶ月くらいかな、同じ場所に滞在し続けると、魔物に街ごと襲われる」
学「なるほどね。じゃあ勇者は生まれたときから放浪の旅にでるのか?」
樹「それだと可哀想過ぎるだろ。だから勇者は16歳からその特徴が出てくることにするんだ。そして魔王の復活の前、20年前後でしか勇者は誕生しない」
学「勇者が誕生して20年前後で魔王が復活する。ってことか。その間に勇者は力をつけ、仲間を集めるってことね。なんかここは優しいな」
樹「それはしょうがないだろう。まさか勇者のいない世界に魔王を復活させる訳にもいかないし、魔王復活と同時に勇者誕生じゃあ、勇者が育つ前に滅ぼされる可能性が高いからな」
学「魔王復活の兆しが勇者の誕生か。じゃあ勇者は16歳になるまで自分が勇者かどうかは分からないのか?」
樹「それだと色々と不便だろ。だから」
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