第143話

ああ……似ている。





ケイが心配する時の仕草に。





似すぎているから……。





だから、あんな夢を見てしまったのだろうか。





やっと会えたと思っていたのに。





夢の中では、しっかりと抱きしめてくれて……頬に感じたスーツの生地の感触だって覚えているのに……。






甘い夢の余韻に浸りながら、私は、スーツの生地の感触がやけにリアルだった事に気がついた。





スーツの生地だけじゃない。





強く抱きしめられていたという実感も……。





あれ……?





ちょっと待って……。





それって……もしかして……。





「あ、あの……ここまで私を運んでくださったのって……もしかして……」





「ええ、私ですが?」





恐る恐る問いかけた私に向かい、彼はニッコリと微笑んで頷いた。

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