第135話

「本当に……。さっき、お元気そうな姿を見て、やっと一安心」





そう言って佐々木さんが歩き出したので、私も彼女の歩幅に合わせて石畳を踏みしめた。





それにしても、そんな大変な事故があったなんて……。





多分、間違いなく、あのクリスマスのチャリティーバザーの日の事なのだろうけれど。





私が買い物をしていた時は、事故の様子なんて微塵も感じられなかった……。





「あ、あのっ、さっきの先生から聞いたかもしれませんけど、私、その日の午後……ここのバザー会場にいたんです。だけど、まさかそんな事故があったなんて……本当にびっくりしました」




私がそう言うと、佐々木さんはさほど驚いたような顔もせず、うん、と頷いた。




やっぱり、小野先生から聞いてたんだ……。





「安原さんが帰った後の事だったんだよ。事故の後は救急車が来たりして大騒ぎで、イベントも途中で終わっちゃったし」





「うわ……大変だったんですね……色々と」




あの和やかでホンワカとしたクリスマスイベントの会場がそんな事に……と想像するだけで、胸が痛くなる。




事故に関わった3人が、今はもうなんともないというから……気持ちも救われるけれど……。





「佐々木さ~ん」





突然、後方から佐々木さんを呼ぶ声が聞こえ、佐々木さんと私は同時に振り返っていた。





見れば、園舎の玄関の方から、グレーのスーツ姿の男の人が駆けて来るところだった。

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