第70話
確かに、こんな事を職場の後輩に頼むのもどうかと思うけど……景山さんが勘違いをしている以上は早く手を打ったほうが良さそうだし……。
……大丈夫だよね?
嘘の『彼氏』について誰かに深く突っ込まれたら、適当に話を捏造すればいいわけだし……。
そう思った瞬間、私の頭に彼の笑顔が過ぎった。
いや……確かに、まるっきり架空の人物像を捏造するよりは簡単だけれど……。
彼を『彼氏』に見立てて公言するのは、ちょっと躊躇われるというか……客観的に痛いというか……。
……そう見立てる行為自体が……彼に依存する自分自身の気持ちを助長させてしまいそうで……。
……怖い。
いつ私の前から姿を消してしまうかもしれない不確かな存在だからこそ……尚更……。
「あ、いたいた~、安原さ~んっ」
不安に胸の奥が疼いた直後、突然、背後から名前を呼ばれ、私は弾かれたように後ろをふり返っていた。
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