第4話 メタモルフォーゼ?

第23話

電気ストーブに面と向かって腕組みをしたまま、かれこれ30分。




エアコンからのホコリっぽい温風を頭頂に感じながら、私は電気ストーブとにらめっこを続けていた。




職場からアパートまでの徒歩10分の道程で冷え切ってしまった手足は、ストーブからのダイレクトな熱を求めているけれど。




点けると…アレが現れるのかな、やっぱり。





「はぁ~」




私は、本日何度目かの深いため息をついた。





お祓いも、脳神経外科や精神科の受診も…できれば避けたい。




太田主任達が言うように、このストーブを捨てるという選択も確かにアリだけど……。





新品できちんと動くものを捨ててしまうなんて、やっぱり出来ない。





第一、昨日のあの現象が、本当にこのストーブの所為かどうかすら分からないし。




昨日はたまたま私が疲れていただけで、今日はスイッチを入れても何も起こらないかもしれない。




「よしっ」




私は意を決してスイッチに手を伸ばし、ストーブを点けた。






すっかり聞きなれたモーター音と共に、ヒーターがみるみる赤くなっていく。





不思議な事に、耳鳴りが起こらない。





もしかしたら、今日は大丈夫……かも?





私は、ゆっくりと後ろを振り返った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る