第23話

先行展示の結果は会場に見に行かないと分からない。見て、格の違いを理解させられる、それが先行展示だったんだ。

 一緒に会場に行ったアルハが前を歩くのを、ぼーっと眺めながら帰り道を歩く。


「さすが絵画科ッスね。いやー圧倒されちゃいましたよ」

「……」

「もう諦めたらどうッスか?俺ら学生なんですし、恋愛とかもあるじゃないッスか」

「なに、言ってんですか」

「思ったより跳ねなかったッスよねー、予想じゃもう少しは反響あると思ってたんスけど」


 そう、だからこそ、気合を入れ直して良くなるよう書き進めるべきなのだ。なのに、コイツは何で諦めろ、なんて。

 ずっと前を歩いているアルハがくるりと私を振り向いた。


「ま、もう皆言葉なんて必要としてないってことなんじゃないッスか」


 聞きたくなかった言葉が心臓を締め付ける。


「先輩の親御さん厳しめでしょ。大人しく言うこと聞いてた方が得策だと思うんスよね」

「……ッ知ったような口きかないで!」

「そんな怒んないでくださいよー。ただの一般論ッスよ、一般論」


 人の神経を逆なでしておいて、本人は楽しそうなのだから本当に性質が悪い。一般論とか、お母さんのこととか、私が悩んでいたのはコイツも知っているのに。

 ケラケラ笑って、物語を終わらせるみたいにパン、と手を叩く。


「じゃあ俺は降りるんで。あとは三人で頑張ってくださいね」


 いつもの貼り付けたような笑顔でそう言って、アルハは私の前から姿を消した。

 残された私は、わたし、は。

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