第11話
「あの、今日で練習はもう終わりでお願いします」
練習という名のお茶会をしていた僕たちは、1週間後、彼女にそう言われた。
「本当にいいの?確かに自然に笑えるようにはなったと思うけどさ~」
「はい!もう本番なので、いいんです」
「そもそも僕たちとしか話してないけど大丈夫なんですか?」
「いっぱいお話ししましたし、お菓子もいただいたので!いけます!」
そこ?と思ったが、本人がいいと言ってる以上無理強いするのもよくないだろう。
「本当にありがとうございました……!これで本番も頑張れそうです!」
まだ少し自信なさげにも見えるが、そう気になるものでもない。舞さんが星さんにじゃれつくのをチョコを食べながら眺めていると、舞さんを避けて星さんは僕に声をかけた。
「あの、すみませんでした。最初のころ……」
「いや僕も何も知らないのにキツイ態度とっちゃったんで。すみません」
「お、青春だね~!」
「うるさいですよ。あの、星さん」
「は、はい!」
この人本当にモコちゃ、……森川先生に似てるな。少女漫画脳なところとか、特に。だからこそ、気負いすぎずに話せるのかもな。案外この悩みにはピッタリだったのかもしれない。
星さんの目を正面から見据える。もう目は逸らされない。
「緊張してもいいんで、深呼吸して頑張ってください」
「応援してるからね!」
僕たちの言葉に一瞬虚を突かれたような表情をした彼女だったが、だんだんとその顔が喜びに変わっていく。ニッコリと自然な笑みを浮かべる彼女は1週間前とは大違いだ。
「……はい!」
生物準備室を出た星さんを見送って、帰り支度を始めた手を、パシ、と止められる。
「じゃあ、私たちも行こうか」
「……え?」
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