第6話
「名前教えてくださいよぉ、私たち三日間一緒に過ごすんですよ?」
「たった三日なら教える意味がねぇ」
「あ、私のことはビー玉ちゃんと呼んでください」
「呼ばねぇ」
「翔太、アンタ帰ったんなら声かけなさいよ。ジュースしまっといてねー」
「翔太くんっていうんですね」
「……」
ここまでくるとタイミングが悪いとか不運とかじゃ言い表せないんじゃないだろうか。良い事を聞いたとでも言いたげな、にやにやと笑うビー玉をジロリと睨むも何のダメージもないようだ。持ち帰ったりするんじゃなかった。
「聞いてんのー?」
「分かってる、お菓子も買ってきてやったから!」
「あら、気が利くじゃない」
「よかったですねぇ、褒められてますよ」
「……うるせぇ」
俺は今日で一体何回の溜め息を吐くことになるんだろうか。
ビー玉の言っていた通りほかの人にはコイツの声は聞こえていないようで、俺の耳では声がうるさく響いているというのに家族はなんとも平気そうな顔で過ごしていた。コレなんて嫌がらせ?
昔枯らした花が入っていた花瓶にビー玉を入れてベッドに倒れ込む。そこらに放っておこうとしたらキレられたのだ、何もできないビー玉のくせしてマジで図々しくないかコイツ。
「明日はちゃんと起こしてくださいね!」
「ハイハイ」
「ハイは1回です!約束ですからね?」
「……ハーイ」
明日もこんなのに付き合わされるなんて、考えたくもない。
どうか頑張ってくれ、と明日の俺に託しながら目を閉じた。
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