プロローグ

幼いころ、まだ家族以外のコミュニティーを知らなかったころ、僕は僕の家族がだったし、何も違和感はなかった。


僕自身違和感を感じ始めたのは、約12年前。そう、小学校に入学してからだった。


家の方針で保育園や幼稚園には行っていなかったため、ようやく家族以外のコミュニティーと関わることになったとき、我が家は"変"かもしれない、と少しだけ違和感を持った。


本当にだったのか、みなさんも一緒に確認してほしい。


幼いころ、キッチンのゴミ箱の中には目玉がふたつギョロギョロ動いていた。

生ゴミが好きな妖怪が棲みついているのよ、と母は教えてくれた。


それに、おばあちゃんの家は雲の上のそのまた上にあった。

なぜかは分からないけど、行きたいなと思いながら玄関ドアを開けたら行けた。


母が歩けば花は咲くし、父が歩けば花は枯れた。


うちには人間じゃない召使い-キツネがずっといるし、キツネが二足歩行してるし、キツネが料理を作る。


幼いころ、僕は未来がほんの少しだけ視えたけど、うちの家系はみんなそうよ、とお姉ちゃんに言われた。


よく家に妖怪が遊びにきていて、僕の幼少期の写真は妖怪と遊んでいるものばかり。


やっぱり、変?

どうですか。みなさん。


変……ですよね。


僕の生活は18歳の誕生日を機にさらに変に進化した。


座長と呼ばれる、日本のカミサマのトップになってしまった。


今思うも、この人生はホンモノだろうか。夢なんじゃなかろうか。



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