第25話 制約と過去
父:「では、息子に課せられた制約と言うのは?」
と父さんの態度は変わることはなかったが何処か動揺していた。
ホワイト:「はい。戒斗さんに課せられた制約ですが、αが話していると思いますが。それの補足もさせていただきます。」
そういうと、ホワイトは白衣の内ポケットからUSBを出してきた。
ホワイト:「こちらにですね。戒斗さんの事が全て記録されております。ただし貴女が彼を連れ去るまでの記録です。」
とホワイトは母さんを見た。母さんは何も言わずただ申し訳なさそうな顔でこちらを見てくる。
ホワイト:「この制約は戒斗さんを私たちが預かった時に発現したものです。戒斗さんは、魔王の力を受け継ぎましたが。魔法を使うのための材料であるマナが少ない世界では自分の中にあるマナを使わなければなりません。ですが。その回路が私たちがこの世界に来た時に混線し戒斗さんは、記憶を材料に使う回路になってしまいました。私達も戒斗さんの記憶が欠如していくのに気づいたのは、貴女が来た数ヶ月後です。ですが。その頃にはトップの人間が豹変し私たち、研究部門の言葉を無視し始め。やっとで落ち着いたのがこの間です。」
そうして詳しく説明し終えると、ホワイトは再び深々とお辞儀をした後、家を出ていった。
父:「さてと。恵里佳……教えてくれ戒斗とあの組織と何があったのか。」
父さんは普段の優しい声ではなく何処か苛立ちの見える声で母さんを呼んだ。
母:「ずっと黙っててごめんなさい……実はねあの組織が日本に来た時。私はまだ防衛省でも下の人間で監査目的で政府関係者として組織内部に入ったの、その時に、戒斗を見つけたわ。でもねそんな事情知らなかった。でも貴方を見つけた時貴方凄く痩せこけてて。今にも死にそうな顔をしてたから。守りたくなったの。」
母さんは涙ながらに教えてくれた。
その日の晩御飯は味がしなかった。
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