第24話 邂逅

牡丹:「今更なんですか?挑発ですか?」

牡丹は冷静を装うがその声色は、怒りが見えた。

ホワイト:「いいえ。違います。これは彼の事で組織内で色々揉めまして、このような時期になりました。」

そうして、顔を上げたホワイトは俺を見て気づく。

ホワイト:「これはお久しぶりですね。魔王のご子息様。」

その言葉を聞いて、その場居た全員が戒斗とホワイトを見た。

燐:「え?戒斗が魔王の子供?え?なんかのドッキリ?」

ホワイトは燐の反応には答えず、そのまま母さんの方を見て。

ホワイト:「しかし、彼を連れ去ったのは貴方でしたか。天宮防衛幕僚監部長。二十数年前のことにはなりますが……まさか貴女だったとは。」

淡々と進む話に燐は完全に置いていかれていた。

ホワイト:「さてと。試験体α。君の脱走は目を瞑るから咎めはしません。きっとご子息様の魔力に惹かれたのでしょう。」

とルナを見て言う。

ルナ:「その呼び方は。やめて……」

ルナは毅然とした態度で答えるが声は震えていた。

震えた声のルナを見て牡丹が怒りを露わにする。

牡丹:「試験体って呼ぶってことはルナにもあんな酷いことしてるの!?最低!!」

すると父さんが止めた。

父:「牡丹!!落ち着きなさい。とりあえずホワイトさん。全て話してくれますか?妻と息子について。」

ホワイトは頷き、俺について話しだした。

ホワイト:「ご子息様……戒斗さんは私たち組織の居た世界の魔王様のお子様です。」

燐:「え?えっと……どういう事?」

全然追いつけない燐を横目に、ホワイトは話を続ける。

ホワイト:「実は私は魔王様が立てた組織でして。魔法やそのほかの知見を広めるために活動しておりました。しかし。魔王様は他家臣による謀反により崩御され。戒斗さんを私共に預けたのですが。そこから私たち組織のリーダーは変貌し。昨今のような活動をはじめたのです。」

燐:「じゃあ、異世界にいたのにどうしてこの世界に来たの?」

燐の素朴な疑問にホワイトは首を横に振った。

ホワイト:「詳しくは私にも分かりません。ですが。まだ幼かった戒斗さんの力が暴走して起きたと思っております。ただこれは私の仮説なので真相は分かりません。」

そうして、燐の質問にホワイトが答え終わると、今度は父さんから質問が飛んだ

父:「では何故妻と息子が会うことになったのですか?」

ホワイト:「それは、当人に尋ねた方がよろしいかと。私からは何も言えません。他に言えることとしては息子さんの制約についてです。」

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