第70話

「まだ例の人の飯、作ってやってるんだ。馬鹿じゃねーの」



はー…、と疲労感を漂わせる顔で溜め息つき、髪をぐしゃ、と握った庵ちゃんは顔を上げた。



傍で、環が「すっげー勘」と囁く。




「…何か……」



すん、と鼻を利かせ、そのまま顔はルイの方へ。


ルイは、小さく呟きを発した。後悔の。




「俺の気のせい?」


庵ちゃんはルイの目の前まで足を運び、彼に黒い影を作る。そして顔を寄せ、「誰の香水の匂い」と眉を顰めた。



何も言わず、笑みを作るルイ。



庵ちゃんは、ルイの着る服の襟元を自分の方へ強く引っ張った。



「ちょ」

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風邪っぴきパパラッチの恋愛『対象』 鳴神ハルコ @nalgamihalco

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