第64話
「るい、これ本当に環が書いたの?未だに有り得ないと思うし信じられないわ」
デトワールで。潜めた嗚咽の合間を縫って、グレーのソファで膝を抱え、文字を追っては涙を流す。
一応こっそり。
そう言い聞かせてはみても、悔しいほど止まらない。それは傍にいるルイの気にしなさにも問題があるといっておく。
対角の端に座る当てられたルイは、環が置いていった漫画から顔を上げた。
そうしてゆるりと、目を細めて微笑む。
「波音、こっそり環の書く話のファンだっけね」
「ぎゃああ気持ちが悪いから言わないで」
「ん、誰が気持ち悪いって?」
「あ、環」
「…」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます