第40話

ぎょっとして、思わず足を留めてそれを見つめる。



するとぼんやりしていた眸に色が戻って、私を目にしたその人が次に手元のマーガレットを目にして、「ワーー!!?」と叫んだ。



え、何この人。



不気味に思って見ていると、その人は誰彼構わずごめんと謝りだし。


ついには何故か目が合った私にまで頭を下げ始めた。




あー…、やばい人かな。




急に立ち上がったでっかいそいつは足元にあった、花が切られていたと思われるバケツに足を引っ掛け、水を辺り一面にぶちまけた。



「……あ」


「…」



「「……」」




大きな音を立てた後で静かに転がって来た青いバケツが、不吉にも私の足元で止まり。



流石にここまで見ておいて無視ることもできないので、仕方なしにそれを拾い上げてそいつに歩み寄ることになった。



それが、猫舌(ネコジタ)さんとの出会いだ。

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