第16話

「高校生のときから変わらない線の細さ、サラサラそうな色素の薄い髪、病弱そうな眸、堪らないですうーくん」



「何か喰われてるみたいなんだけど」


「美味しいです」


「きもい」



「毒舌!!!」




まさかの玄関先で鼻血を噴いたうさぎまるに驚いた龍が女みたいな悲鳴を上げた。



「ご、ごめんなさいたっちゃん…」



まるで兎みたいな目で兄を見るうさぎまるにドン引きの俺たちはリビングに足を運ぶ。





「瞬、マフラー取れば」


「やだ。寒い」



「兎丸、鼻血止まった?」


「止まらない!!」


「お前死ぬぞ?何でそんな嬉しそうなんだよ」




龍とは今卒業間近の大学が一緒。


ほぼ持ち上がりだったから高校の時から一緒ってことになるけど。



こんなんだから、いつも面倒そうに世話ばっかやいている。





「…あ、そうだ。何か芸能事務所の人からこれ貰ったから、うさぎまる行ってくれば。モデルとか見れるかもしれない」

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