第17話

穏やかな昼下がり。


俺は当てもなく、町をぶらぶらしていた。


「大変だー!火事だー!」


周りの叫び声を聞き、辺りを見渡す。


あそこか!


俺は煙の上がる方へ、かけ出した。


俺が駆けつけると、その場にいる人達で、消火活動をしていた。


民家の側のごみ置き場が燃えていた。


炎は人の背丈ほど。


懸命にバケツなどで水をかけているが、炎は大きくなっていく。


「ちょっと、どいてくれ!」


俺は人をかき分け、炎の近くまでやって来た。


「ヒューイ様!お願いです。火を消して下さい!」


消火にあたっていた人が、ヒューイに気づいて叫んだ。


………普通なら、簡単に火など消せない。


でも、俺ならできる。


『魔法』が使えるから。

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