第22話 芽衣~恋人タイム~

「あっ。ンっ…やだ。まっ…てっ!」


先週、崇斗から改めて恋人申請された。

『俺達、今から恋人同士って事で良いよな?』

なんか、改めてそう言われると照れと緊張が渦巻く。


今更、そんな改められても…と思ったけど…。そうだよね。

確認しないと、男女の関係には進めないよね。

と、納得した。


それが今現在。


なかなかタイミングがなくて、二人きりにならずに今日まできた。そしてこのタイミング。



前日、崇斗の部屋で優斗を寝かしつける。


最近、崇斗の仕事が終わるのが遅くて私がココにいる時間には戻らない。

お出かけも2人で行くから、甘い時間にはならない。


恋人申請されても、いまだキスぐらいしか交わせていないのは2人の時間がないから。

だからといって、物足りなさを感じる事はなかった。


だって、それが今まで通りだし。それに一応、恋人に昇格してるから。


「ただいま」


そっと部屋の扉が開く。

少し照れくさそうに、崇斗が声をかけてきた。


「良かった。今日は間に合った」

「おかえりなさい。今日は早いんだね。でも、残念!今、寝ちゃったよ」

「………」

「?」


崇斗が大きく溜息をつく。


「優斗の起きてる時間に帰って来れなかったのは残念だけど…今日は違うだろ」

「違うって?」


更に大きな溜息。


「優斗は毎朝、ちゃんとコミュニケーションとってるから良いんだよ」


そう言いながら、荷物を置くとネクタイを外しながら近くに座る。

私はそれをなんとなく見ていた。何も考えずに。


「芽衣って…こういう事に慣れてないせいか?鈍いよな」

「は?何が?」


呆れられて、バカにされている感じがしてムッとする私。

いや…本当に私が鈍い人だったんだよね。


ムッとしている私をグッと引き寄せ、布団の上に押し倒す崇斗。

突然の事に思考回路停止。


「いつまでも、お預け食らうのって体に悪い」

「あ…っ」


崇斗は私に半分程度の体重をかけ覆いかぶさる。

重なる唇に熱が帯びて、深く甘く絡まる。


「や…だめ…」


崇斗の手が私の素肌に触れる。

ダメと言いながらも、私の体は喜びを感じていた。


「無理」


崇斗は夢中で私にキスをしてきた。いや…私だってしたいけど…。

お隣で優斗が寝ているのに。気になって仕方がないじゃないか。


キスを受け入れながらも優斗の方を気にして見る私。


「!!」


思わず力いっぱい崇斗を突き放す。


「芽衣!?」


不機嫌な声を出す崇斗だけど無視。


「お…起きちゃったの?優斗」


乱れた服を整えながら、笑いかける。

そこにはジッと私達を見ている優斗がいる。

さすがに崇斗も慌てて、気持ちを切り替えていた。


「優斗、ただいま。ゴメン、うるさかったか?」

「ううん。パパの声きこえた」


やっぱり眠りが浅かったか…。意外としっかりした話し方をしている。


「パパ、めいちゃんとチュウしてたの、ずるい」

「!!」

「ボクもめいちゃんとチュウする!!」


可愛い…。


とか思い微笑んでしまうけど…いや、やっぱりマズイよ。子供に見られるのは。

慌てながらも何とか誤魔化して、優斗のホッペにチュっとする。


「今日は戻るね。優斗、パパ帰ったから芽衣ちゃんもう帰るね。おやすみ」


私は立ち上がりドアの方に進む。優斗が手を振り、崇斗も立ち上がる。

そして耳元に顔を近付け小さな声で話す。


「明日、20時に駅前来いよ」

「何で?」

「無理って言っただろ。明日…ホテルでヤリまくる!」

「あー…そう…ですか」


あまりにも恥ずかしくて言葉にできない。

正直、嬉しかったりするんだけどね。



-そして冒頭…


宣言された通り?激しかったのは言うまでもない?


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