闇に堕ちるか、光を求めるか――運命を選ぶのは己自身

荒れ果てた港湾都市、モヘレブ。
夜ごと金と欲望が渦巻くこの街で、一人の異邦人クレメンテ・ドゥーニは揺れていた。
奴隷商として生きるか、信念を貫き運命に抗うか――。

ある夜、彼は選ぶ。
鎖につながれた者たちを解き放ち、その中の一人、冷徹な瞳を持つ男・ジルと共に闇の中へと逃げ出した。
だが、それは世界の歯車を大きく狂わせる決断だった。

帝国に追われる大罪人、陰謀と策略が渦巻く太守の争い、消えた誓約、そして歴史に埋もれた真実。
すべてが絡み合い、彼らを運命の戦場へと導いていく――。

求めたのは自由か、それともただの逃避か。
抗えなければ、世界に喰われる。

圧倒的な世界観と綿密な歴史背景で描かれる、壮大な戦記ファンタジー。