第7話

思わず顔を上げて、その声の、手の、持ち主を視界に入れて……私は自分がどんな表情でいるのか咄嗟には分からなかった。



だけど相手の顔はよく見えていた。



驚いた表情の後、スッと冷えたその瞳孔の色。



冷たくて震え上がりそうなほど怖い。



軽蔑に近いその表情で、私が関わりを持ちたくないと思った相手が私を見下ろしていた。

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