苺なキスを君に

斗花

第1話

みやこちゃんと、眞冬まふゆちゃんと、美奈みなちゃんと一緒に学校帰りに少しだけ遊んで帰ることになった。



「最近できた駅前のショッピングモールに四人で行かない?」



美奈ちゃんの提案。




「だからね、ゆきくん。

今日は一緒に帰れないの……」



私がそう言うとゆきくんは相変わらずのキラキラスマイルで私の頭を撫でた。


「うん、分かった。楽しんできてね」



あぁ……。本当にかっこいいっ!



「あまり遅くなりすぎないようにね」


「はーいっ!」



ゆきくん程の男を彼氏に持ってるなんて……、私はなんて罪深い女なんでしょう!



私、米倉よねくららんの彼氏、ゆきくんこと福本ふくもと幸也ゆきやはギターが弾けて、イケメンで優しくてキラキラしてて、足も速くて勉強もできるパーフェクト男子です。


私の二つ年上の高校三年生で、私があの高校に入ったのはもちろん、ゆきくんを追いかけて、です!



中三の秋くらいから付き合っています。

私たち、超ラブラブなんです!




だけど実は最近、一つだけ悩みができました。



「あのね、美奈ちゃん」


「んー?なにー?」



美奈ちゃんが服を見ながらダルそうに答える。


美奈ちゃんはゆきくんのお友達の結奈ちゃんの妹。

結奈ちゃんもとっても優しくて良い人。



「ゆきくんとのこと、なんだけど……」


「フク?何かあったの?」



結奈ちゃんはゆきくんをフクと呼ぶため、私や友達といるときは美奈ちゃんもフクと呼んでいます。



「うん……。恋の相談」



私の言葉に服を置き美奈ちゃんは静かに私に聞いてくる。



「なんて言った?」


「だから……、恋の相談って言った」



言い直した私を眞冬ちゃんが慌てて止めるが、私はもう言い終えた後だった。



「こいのそうだん!」



美奈ちゃんのテンションが一気に上がった。眞冬ちゃんは頭を抱える。


「面倒くさい……」


都ちゃんは隣でまじまじと美奈ちゃんのことを見る。



「私が相談に乗ってあげる!」


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