第21話

「今日の夕食は遅めにするから帰ったら少し部屋で休みなさいな」



「うん」




返事をしながらも私の視線は外の景色から離れなかった。




車と並行して流れる大きな川は水面に夕陽を反射させてキラキラと光り輝いていた。




まだ残暑も厳しく、車の外からは蝉の声も聞こえる。




綺麗……




私たちがいるのと反対側、つまり川の向こう側にある街は対照的に夕闇に包まれている。




燃えるような赤い夕陽と薄紫色の夕闇。




そのコントラストにうっとりしていた。





瞬間、私の視界を風と爆音とともに黒い影が横切った。




「ええっ!?」




驚いたのと同時に車が急ブレーキを踏んだ。




「きゃあっ!」




シートベルトをしていなかったせいで運転席に身体をぶつける羽目になった。

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