第66話

 英智は、宇多子の傍迄来ていた…彼の手が、彼女の首の近くに伸びる……


「『全治一年』って、聞いた……


 私が…少年院に入った以上に、長く…苦しんだと思うわ……」


 英智は、奥歯をグッと噛み締める…彼の手が、彼女から、スッと離れた……

 彼は、その手を堅く握り締めて、宇多子に応えた。


「…そう…

 だよね…?


 忘れたいのは、当然だもの…」


 宇多子は、嗚咽している……


「毎日、夢を見て…毎日、祈ってた……うっ…


 今でも…時々、夢を見る……

 今でも……彼のために…祈る様にしてる……

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