八日間~最期に遺った物~

第45話

「…残念だな?

 海外出張で八日間も、キサマを苦しめられない…


 ま、会社でホメ殺しに遭ってなよ?ブタ子さん」


 パタン。


 早朝から、英智は出て行った。


「………

 ………」


 あなたの…存在が、恋しい…


「う…」


 淋しい宇多子の指先が、英智の唯一の居場所である、彼の個室のドアノブに触れた。


 決して通ずる筈も無い、扉を隔てた向こう側―


「あ…?」


 …カチャ。


 英智の単なる失念か、それとも新たな何かの罠なのか…開錠されていたドアが事も無く、宇多子にその境界を越えさせた……。

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