第25話



「か、買っちゃった……」



週末を利用して早速買いに行ったタイトスカート。鏡の前で体に当ててはやっぱり勇気がなくて下着姿に戻る。


そろそろ出る時間だ。さっき響から【起きた】ってメッセージが来ていたし、早く洋服を選んで出発しなければ……。



「……」



鏡に映るタイトスカート。脛の辺りまでのロング丈で膝裏にスリットが入ったデザインだ。色は、一応季節感を気にしてベージュを選んだ。


普段は日本を代表するファストファッションブランド・ユニコロでしか買い物をしない私だが、友人におすすめを聞いて初めてレディースファッションブランドで購入した。


見るからに女の子女の子した感じではなく、黒を基調としたクールな系統のお店で、入りづらさはそこまでなかった。



「わぁ、お客さまお似合いです……!スタイルがよろしいのでモデルさんみたい!」



……なんて。試着室にいる私を大げさに褒める店員さんの口車に乗せられて、……いや、自分で鏡を見ても、割と似合っているのではないかと思っちゃったんだ。でも……——



「……はぁ、変かなぁ」



改めて、自宅でフィッティングしてみると、ウジウジした自分が顔を出す。


せっかく買ったし、着ていきたい。でも普段と違いすぎてやっぱり恥ずかしい。


悩みながら、やっぱり一度脱いで考えよう……なんて、腰のジッパーに手を伸ばしかけた時。



「おーい、りょー!」


「……っ、」

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