第十七話

 私がユニークスキルについて考えているとアレクがやって来る。


「戦い方を教えてほしい」

「分かった。それでその戦い方は人か魔物どっち?」

「いや、ユニークスキルだ」

「それは私にユニークスキルを教えることになるけど大丈夫だね?」

「問題ない」

「それじゃあ説明して」

「分かった。俺のユニークスキルは戦闘狂だ。詳しく説明すると魔力を使って暴走して、暴走している間は基本的な物理攻撃は効かないという感じだ」

 物理攻撃が一切効かないのか。魔法と暴走が弱点か。

「なるほど、ちなみにそれはどうやって知ったんだ?経験から?」

「知らないのか?ギルドの近くにある教会で祈って知るんだ。小さい時にね」

 と驚いた様子で答える。

「森の方で生まれ育ったから知らないことの方が多いんだ。すまないね」

 ふむ、後で行ってみようかな。


「つまり、その暴走してしまうユニークスキルを上手く使えるようになりたいわけだね」

「そうだ」


「...説明を聞いただけだとグループで戦闘を行う場合、そのユニークスキルは役に立つ可能性は限りなく低いだろうね。それよりも足手纏いなる可能性の方が圧倒的に高い。それは君もよく分かってるね」

 アレクが頷く。

「つまり、この状態のまま使うことはなしだ。だから暴走を抑えるもしくは無くす必要があるわけだがこれは暴走がどのようなものか理解する必要がある」

「なるほどな」

「そして、ユニークスキルの暴走とは基本的には理性を失い、ある欲や感情が増加することだ。この一連の流れは魔力を使用することで発動している」

「...分かったが何故そんなことを知っているんだ?」

「学んだから。で、話を戻して魔力を使用して発動しているなら魔力を自分で操れるようになったら暴走のデメリットだけを消すことが出来る。つまり、魔力操作の技術を身につけることだね。後は自分次第だよ」

「分かった。感謝する」

「それなら私は少し出掛けるから」

 と言い闘技場から出る。




 外に出て教会を目指す。

 教会は街の中央付近に位置している。領主の屋敷の近くだ。

 教会が見えてくる。


 教会の中に入ると三体の像が目に入る。

 右の像はアマ様だが残りの二体は見たことがない。


「何かお困りでしょうか」

 いつの間にか近くに来ていた司祭らしき年老いた男性が問いかけてくる。

「ユニークスキルについて知りたくてね」

「では、あちらの左の全知神様にお祈りください」

「ありがとう」

 全知神と言われた神様の前に向かう。


 前に立つが祈り方が分からない。

 周りを見ても信者らしき人は見当たらない。

 真似しようと思ったが仕方ない、手を前で組み、お辞儀をする。

 すると、頭の中に知識が入ってくる。

 それと同時に脳内に声が響く。

『もう少しで神になれるじゃん。後はきっかけを掴むだけだよ、頑張って〜』

 周りには聞こえて...いるようだ。

 平伏してる司祭の老人の姿が目に入る。

 おそらくこの声は全知神だろう。

 声は男性にも女性にも聞こえ、少し幼い印象を与える声だった。


 それにしてもきっかけか。

 まず、神になれたら勝てるのかな。

 それともならないと勝てないのかな。


 ...まぁいいや、きっかけのきの字も分かってない今の状態で考えても無駄だ。

 頭の片隅にでも置いておこう。


 思考から戻る。それと同時にまだ平伏している司祭の老人に向かって歩き出す。

「それでは、目的を達成したので失礼します」

 と言い、金貨を三枚渡す。

 そしてそのまま、教会を後にする。


 それにしても嫉妬は難解で理解し難いものだ。

 嫉妬の詳細はこんな感じだ。


 嫉妬したユニークスキルをコピーする。そして、嫉妬の許容範囲を超えた時、暴走する。


 ユニークスキルにはメリットもデメリットもあるから一概に良いとは言えないだろうけど持ってて損はないだろうね。

 でも、正直なところ今現状では役に立たないだろう。


 でも強いユニークスキルだと思う。

 それと同時に面白くないユニークスキルだと感じる。

 だって一長一短のユニークスキルと言えど嫉妬するだけでスキルが手に入るのなら意味ないじゃないか。


 嫉妬して自身を鍛えることに意味があるのに...


 そんなことを考えているとある冒険者ギルドに着いた。

 なんだか人が多い気がするが気にせず闘技場に向かう。

 闘技場に行くと五人が集まっていた。










































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