第八話

 これは、ユキが神様がいないことをいいことに自爆していた時の神様たちは

 ーーーーー

 side:神様達

「というわけで今回は転生者会議をしようと思いまーす」

「よかったよ、今回は真面目で。これでお茶会とかほざいていたら、殴って図書館に戻る予定だったよ」

「そうだね」

「お茶会だって大事でしょうが!!」

 とアマ、ティス、イスが言っているな。

 視点は俺もとい、アスだぜ。

「ま、俺はお茶会でも全然いいがな」

「それよりもユキが魔力について知った今何をしでかすかわかったもんじゃないから会議を早く終わらせよう。本当に」

 イスがこう言っているがあれのどこが危ないかわからんな。

「そうだったわ、それじゃ、速く進めましょうか。彼女の前世から元の名前は東雲優斗、性別は男。好きな言b」

「「「男!??」」」

「そうね、私が女の子にしたわ。そして、反論は認めないわ。理由についてはあとでね」

「了解」

 とティスだけが反応する。

 それよりもあいつは男だったのか。だからあんなにタフだったのか?

「話を戻して、好きな言葉は努力、嫌いな言葉は才能と信頼。そしてここに来るまでのはなしをするわ。

 彼はある程度裕福な家に生まれ、すくすく育ち、中学校では天才と呼ばれた。そのためか家庭が裕福だから、才能があったからと言われていた。裏に本人の努力があるとも知らないで。

 そして高校に上がる頃には一日の五分の三勉学に費やしていたわ。でも高校では努力が通用しなかった。その努力よりも強い才能が数多くいたから。彼は諦めなかったが努力し過ぎた結果体を壊してしまい、第一志望の大学には受からなかった」

 アマは読んでいた本を机に置く。まだ話に続きがありそうだがな

「ありきたりだね、そんな人間なら他にも数多くいるだろう?」

「そうだねぇー、でもね、わたしが実際に過去をのぞいて見たけどあれは五分の三程度じゃないね。勉強に適した食事、睡眠そのうえ、わからないところを教えてもらったり、教えたりするためのコミニケーション能力や見た目にまで心がけていたからね」

「でもそのぐらいの努力をしている人は他にもいただろう?」

「もう、ティスはいっつもこうだねー。転生者会議がある時はいっつも詰めてくるわ」

「だって仕方がないじゃない、理由もなく連れてきて、星がおかしくなったらどうするのよ。あと、会議がある時ってつまり転生者会議をせずに転生させた人間がいるってことよね。後でじっくりきかせてもらうわ」

「そんなことよりもこの話には続きがあるでしょ、それを早く聞かせて」

「俺もそれは気になっていたぜ」

「そそ、そ、そうね、それじゃあ続きを読むわ。彼は大学には行ったわ。第二志望のね。大学を無事卒業した後、会社に勤めたわ。会社では今までの経験が生きたのかたった二年で部下を持つ立場になったわ。でも、ある日、部下のミスを押し付けられてクビなったわ」

「そのクビはちょっとおかしくないか?」

「その部下がえらい人の息子とか孫だったんでしょ」

 なるほどな。会社というものは理不尽だな

「彼は次に自分で会社を立てたわ。順調に事業を拡大していたけど部下に裏切られ、倒産してしまった。そして途方に暮れていたら、背後から刺されて死亡し、ここに来たわ。

 まぁ、こんなかなしい過去の話はここまでにして、これからの話をしましょうか。まず彼を彼女に変えた理由だけど、神になってもらうためね。それも私たちと同格の上級神に」

「ふーん」

「ほーん」

「で、なんの神になってもらう予定なのかな?」

「おそらく努力の神ね」

「おそらく?」

「人が神になる時はこれまでの経験が元となるからね」

「人が神になる条件はなんなんだ?」

「信念があること。そしてその信念が途切れないこと」

「それなら、すぐに神になれそうだがな」

「そういうわけでもないのよね。定義が曖昧なものは神になりにくいのよね。ねぇ、ティス」

「そうだね。知恵の定義がわからなくて知識、知恵の神になるのは難しいかったわね」

「だから、今も神になれていない子がいるわけだ」

 と納得したようにイスは言う。俺は初めて知ったんだぜ。

「定義が曖昧で神になれていない子たちは、人間界で学ぶわ。だって、定義が曖昧なもののほとんどは人間が作ったものだから」

「てっきりアマが作ったと思ったぜ」

「すべて私が作っていたら成長も努力もないでしょ。だって一を与えられるってことはゼロから考えないからね」

「もう少し分かりやすく説明してくれないか?」

「えっと、ね、ゼロから一に増やす作業がないと一を与えられても増やすっていう考えが基本的に出来ないからね。話が脱線しすぎたわね、努力の神が欲しい理由はホリテでは努力が大切なのに努力の神がいないのはよくないと思ったのよ」

「それならあなたが創造したらよかったじゃない」

「それは、私含めあなた達はあまり努力せず神になったからだね。だってそれは私が作った道に過ぎないから。でも、今はみんな自分で道を切り開いているけどね。

 だから最初から自分で道を切り開いている人間が良いって思ったの。そして、その中で特によかったこの子を連れて来たわけだけど人間の一生って短いから努力できる環境を整えようって思って今に至るわ」

「でも、ミカちゃんから聞いたんだけどあなた早速で異世界に送ろうとしたらしいわね」

「だってその時は一人でもやってくれそうだったもん」

「ま、過去のことはいいんだけど」

「そ、それじゃあ、転生者会議をしなかったことは「それは別だよ」

「...つまり、努力の神がほしい。でも人間から神になって欲しい。困っていた時にとってもいい人間を発見。そして、色んなことに努力をして欲しい。だから環境を整えた。ってこと」

「でも、上級神と性転換に関係はないよね」

「.....ここにくる前に殺されちゃった影響でね精神が壊れかけていたのよね。そこで修復したわけなんだけど肉体が精神に適応せず壊れたからだね女の子になったのは私の力少し流れたからだね」

「よかったわ、あなたの趣味じゃなくて」

「でも、直せたのは良かったんだけど記憶の修復は遅くてね、まだ終わったてないのよ。だから一部記憶がなくなっていたり、性格が少し変わったりしているわけだけどいつか戻るわ」

「そろそろ会議を終わりにしない?ユキがもう少しで暴走しそうだし」

「そうね、それじゃあこの続きは次回ということであとここでの話はユキに喋らないこと。そんじゃ解散〜」

「本の整理するから早く帰らせてもらうわ」

「私たちはユキの様子でも見に行きましょうか」

「そうするか」

「そうだね」

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