第18話

神代くんは優しかった。




あたしの体を慈しむように触れながら、まるで大切なものに触るように大切に大切に抱いた。




最中にあたしが泣いてぐずっても、やめてはくれなかったし、むしろ責め立てるように激しくしてきたけど、やっぱり優しいと思った。




あたしに触れる手は、優しくて勘違いしてしまいそうだった。





「ほら、いい子にしてれば痛くないだろ?」




「んぁ………っ」





心とは正反対に体は喜んでいた。




体の打ち合う音と卑猥な水音、乱れる2人の息遣い。




全てが、あたしをおかしくした。




気づいたときには、神代くんに抱きついて、神代くんを求めていた。







あたしの初めてはこんな最悪な形で失われた。






そして、あたしの初めての恋はこんな最悪な男だった。

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