参
第73話
どぉん…どぉん…
走る蝶の耳に、地鳴りの様な低い音が聞こえてきた。
足元の石ころがカタカタと揺れている。
「…始まったか。」
予想以上に早かった開戦に、思わず言葉が零れる。
土方への報告を終えた彼女は、山崎との合流を図る為に他の潜伏先へ回るはずだったのだ。
しかし、戦が始まってしまった以上、このまま進めば戦の混乱に巻き込まれてしまう可能性が高い。
さて、どうするべきか…。
「…っ!!」
瞬間的な勘で、体を翻した。
次の瞬間。
何かが肩を掠める。
ダダダッ
次に聞こえたのは、背後の木に何かが刺さる音。
木の幹に深々と刺さるのは、己の武器と同じもの。
「…何者だ。」
咄嗟に構えた姿勢を崩さずに、苦無が飛んできた方向を睨む。
「避けたか。なかなかの手練れとお見受けする。」
静かな木々から響いてきたのは、低い声。
「こちら側では無い。という事は、幕府側の忍びか。まだ、幕府にこんな切れ者が眠っていたとは。」
「残念ながら、味方では無さそうだね。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます