第55話
土方がその綺麗な顔に皺を寄せながら唸っている頃。
蝶は二人目の客人を迎えていた。
「入るよ、小芝さん。」
久しぶりでも、必ず一言断りを入れてくれる彼は律儀だと蝶は改めて思う。
「山南さん。」
「久しぶり、昼食ですよ。」
まだ体調が万全を期していない蝶は、こうして食事を持ってきてもらう事もしばしばあった。
「ありがとう。」
今日はめざしに米、漬物。
質素な食事にはもう慣れたが、此処の男達はこれで足りているのだろうかと時々蝶は不安になる。
女だからまだしも、若い男ではこれは足りないのではないだろうか。
心の中でそうお節介を焼いていると柔らかな声が降ってきた。
「ずっと部屋に?」
「他に行く所も無いしね。心配性の医者に出るなと言われてちゃってるから。」
体調が心配なのか、監視のためかは分からないが。
敵意を向けてくるのは土方くらいのもので、他の幹部とは和やかに過ごしているが、彼女はこれでも一応、疑いを掛けられている身だ。
そんな様子の蝶に、山南はふふっと笑う。
「外に出たいですか?」
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