第44話

この場に、幹部が集まってきたのが気になる。



沖田に藤堂、それから永倉と原田。



これまで然程会うこともなかったのに、口裏でも合わせたかのように、突然、しかもほぼ同時にやって来た彼ら。



…考えすぎか?



けれど、何処かで不安を覚える。



この予感が当たらないことだけを、蝶はただ願うばかりだった。



「もうそろそろか?」



「ああ、もうそんなに経ったのか。」



そろそろ、ということは彼らは近藤と土方がここに来ることを知っている。



やはり…。



その時だった。



「…入るぞ。」



「ん?なんだ、斉藤かー。」



「なんだとは、失礼だな。」



部屋に入ってきたのは、斉藤だった。



原田の溜息に眉間の皺を寄せながら、他の三人同様に蝶の周りに腰を下ろす。



「斉藤。」



「…。」



「この前は助かった。連れ帰ってくれたの、君だろう?」



「…ああ。」




あの日、二階で倒れた蝶を屯所まで運んだのは彼だと、山崎に聞いたのだ。

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