第15話

けたたましいサイレンが鳴ったのは、その時だった。



突然の音に、ノアはびくりと肩を震わせた。



ユリウスは、「またか」などと口にしながら机の上のクッキーを頬張る。



キムはさっと表情を固くし、クレアも笑顔を引っ込めて、放送に耳を傾ける。



「ゼールカロにて、花の国の侵入を確認。部隊を編成し、直ちに応戦せよ。繰り返す、ゼールカロにて…」



無機質な声が部屋に響いた。



「ドラクロワ軍曹、まずは部隊を集めてこい。俺は上層部に確認をとってくる。」



「は!」



連絡を聞いた二人は、既に軍人としての顔つきに戻っていた。



「ユリウス、悪いな。」



「ノア、また来るね。」



「構わないよ、早くお行き。」



二人を安心させるような笑顔で見送る。



ひらひらと振った手を引っ込めた後、ユリウスはノアに笑い掛けた。



「大丈夫、心配要らない。彼等は軍人だ。」



「…はい。」



彼女を安心させるように、ユリウスはポンポンと頭を撫でた。

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鏡の国 @2housenka

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