第4話

横断歩道の手前に転がっているヒールを拾おうと、片足で飛びながらその場まで向かう






一瞬─…







眩しいヒカリに照らされて、そちらを振り返る








─…あぁ、死ぬ






車が猛スピードで突っ込んでくるのが見える






信号無視?飲酒運転?運転手の体調不良?






分からない、分からないけど─…







きっとあの車は、ここに突っ込んでくる。








──…昔から、そーだった





私は今まで事故や事件、災害や天災によく巻き込まれることが多かった







実際にケガもたくさんした






未だに残る傷も多くある






でも、どんなに大きな事故に巻き込まれても、死ぬことは無かった






いつも辛うじて生かされるんだ







毎回、"今日こそは死ぬ"っと目を閉じる直前に思うけど─…





いつも目が覚めて、お母さんの泣き顔を見ては安堵する







っと同時に─…申し訳なく思うんだ

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