第4話

「先週なんで泣いてたんですか。映画じゃないですよね。あぁ言いたくなかったら良いですよ。」

最近そんな風に聞いてくれる人もいなかったな。やばい泣きそう。こんなことで泣くな私。でもこの人になら話しても良いのかもどうせ泣いてるところ見られてるわけだし今更だと思うし。

「映画のせいじゃないです。最近仕事で嫌なことばかりで上司には何をしたわけではないのに不機嫌で八つ当たりみたいなことされて普段は優しいんですけどそういう事をされると本当に私が何かしたんじゃと思ってしまって。

楽しみの映画を見に来たんですが全然楽しくなくてなにやってるんだろうそう思うと泣いてました。」

不思議だ。一回認めてしまったからか。話しやすいのか喋ってしまった。

「いいですよ。話してくれてありがとう。ほら美味しいもの食べて元気になりましょう」

「ありがとう」

久しぶりに人に優しくされた気がする。

人に優しくされたら自分も優しくってあるけど今ならできる気がする。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る