言葉が紡ぐ、心の奥まで響くファンタジー

ページをめくった瞬間、文章の美しさに引き込まれました。

情景は鮮やかに、感情は繊細。作者の筆致は、まるで絵画のように物語を描いています。


術法的不能というハンデを抱えながら、それでも前へ進もうとするフラムの姿は、読む者の胸を熱くします。

フェレシーラとの出会いは、ただの「旅の始まり」ではなく、心に何かを芽生えさせる瞬間として丁寧に描かれ、二人が歩み出す道のりに自然と感情が重なっていきます。


この物語は、派手な戦いよりも、登場人物の内面や関係性の変化を大切にしていて、読み進めるごとに心が温かくなるような余韻が残ります。


しかも、その柔らかな雰囲気の中に、次第に広がっていく世界の謎とスケール感が感じられ、続きを求める気持ちが抑えられません。

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