第4話
さっさと終業の挨拶をして帰ろうと社長に背を向けたら
「待った!」
何故か社長に腕を掴まれた。
「はい?」
「このあとの予定は?」
予定って!タブレットは秘書室だし最早ロックしてある。
「今週は業務終了。社長の土日の予定は存じ上げませんが月曜日は朝一番に中川専務がおみえの予定だったかと?」
うん。間違ってはない筈。
「俺じゃない。愛美のだ。」
「…は?」
私の予定?そんなの…
「ま、いい。暇だろ。付き合え。」
「はあああっ?」
暇だろって暇だけど!パワハラでしょ!
社長は私の手を掴んだままエレベーターへと向かった。
「付き合えって今何時だと思ってるんですか!」
「23時過ぎ。」
「就業時間とっくに過ぎてます!」
「プライベートだ。」
プライベート?それなら断れるよね。
やっと迎えた週末。ゆっくりお湯に浸かって疲れを取って明日は久しぶりの合コンだ!
「…お断りし」
ます。まで言えなかった言葉。
な、な、な、
なんで社長にキスされてんの!?
ここ、エレベーターホール!
私の記憶に間違いが無ければ…
監視カメラのド真ん前っ!!
「なにすんのっ!!」
離された途端の猛抗議。このド変態!と続けた言葉は再度のキスで塞がれた。
おまけに今度は舌が侵入してきて深いキスに息継ぎが上手くできない。
何なのっ!
私を閉じ込める腕にタップして抵抗するけど何の効果もない。
てか、テクニックが違いすぎる!
女好きの遊び人に最近仕事しかしてない私が勝てる筈もなくあっという間に腰砕けにされてへなへなと崩れかけた体を呆気なくお姫様抱っこされていた。
「ふ、仕事の鬼の癖にスキル低すぎ。」
私を抱いて満足気に嗤う社長を殴り倒したい。辞めてやる!週明け辞表を叩きつけてやるっ!たった1人の秘書に逃げられて途方にくれるがいい !!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます