腐れ縁
第1話
コツコツコツ…就業時間なんてとっくに過ぎて人気の無くなったオフィスを社長室に向かう私。
まったくこの令和の時代に!何で私はこんなブラック企業に勤めてるんだか。
いや。お給料だけを取れば中々の高級取りだし。同世代の女子に比べれば破格の収入とは言える。
社長秘書と言う役職だって会社の中では羨望の的。
何しろ私の仕える社長はイケメンな上に超が付くほどのセレブで頭も切れる。
ただ人の好き嫌いが激しくて私以外の秘書を置こうとしない。
まあ、光栄な話ではある。
あるが!自分のこなす仕事量を感がえろっつーの!
誰でも社長みたいに働ける訳じゃ無いし!私とアンタを一緒にすんな!と何度抗議したかわからない。
おまけに秘書が私だけだからここ数年は日曜日と盆暮れの休み以外の纏まったお休みを取れてない。
いくら私が仕事好きでも体力が持たないっ!
え?労働基準局に訴えればいい?
労働基準法に違反してる?
そりゃあね。出来ればそうしてるわよ。
でも無理!
社長室の前でぶつぶつと文句を呟いてると、
「なにしてんのさ。
イケメン社長に声を掛けられた。
「自分の待遇の酷さを嘆いてるんですよ。何時ものように。」
皮肉をこめてふん!と鼻を鳴らせば
「また?懲りないね。君の代わりを望む女が聞いたら刺し殺されるよ。」
「それ洒落になりませんから!」
29才。弓岡コーポレーション社長。
180センチ。容姿端麗眉目秀麗。セレブでオマケにムカつくほど仕事が出来て頭が良い。
唯一の弱点が人嫌い。
と言っても人付き合い出来ない訳じゃなく好き嫌いが激しくて交遊範囲が目茶苦茶狭い。仕事上の付き合いはそつなくこなせる筈なんだが面倒くさがって私に丸投げすることが多々あるのだ。
その中には少なからず女性が含まれているから必然的にでしゃばりな秘書として嫌われる。
陰口や嫌みを言われるなんて日常茶飯事。
ストレスで禿げたらどうしてくれるのさ!
ああ、挨拶が遅れました。私は秘書の
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