第14話

私はあの時、祥太がしてくれたようにカリンにもちゃんとアドバイスを話したいと思った





そう思った私は、帰り際カリンに声をかけた





「カリン、大丈夫?マイムのこと」




「先生なら、どう踊りますか?」




「え?」




「私は恋なんか知りません。ずっとバレエしかやってないので、恋愛感情なんてわかりません」




「私もだよ。私もそうだった。私もバレエしか識らなかった」





「でも、わたしがみた真穂先生のオーロラは違った。ちゃんとお姫様だった......」





「カリンちゃん、バレエばかりしていると、それ以外の世界が見えなくなってしまうけど、たまには肩の力を抜いてみることもありだと思うの。映画を見たりとかしてみたらどうかな」





「そんなことで、わかるようになるんでしょうか...。大丈夫です、ちょっと、頭冷やして考えます。ありがとうございました。失礼します」





カリンは汗を拭きながら、更衣室へ歩いて行った





心の中でカリンにエールを送った





なんとなく、自分と重なって見えるカリンを懐かなくとも、注視してしまうのだ





「カリンなら、きっと乗り越えてくるわよね」





いつのまにか、隣に彩子先生がいた





「彩子先生」




「あなたもあるとき急に良くなったもん。何があったの?ってくらいに」




「あはは」





苦笑いになってしまった






私は、あるとき気づいたんだ








人を好きになったということを

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