十三夜月
ウサギが1匹、
ぴょん、と跳ねる
月明りだけの夜
静かな住宅街に迷い込んだ
1匹のウサギ
空っぽのウサギ小屋を後にして
たった1匹で駆け出していく
小さなウサギは――――
長い耳を動かして
周囲を見回す
真っ赤な目が
きょろり、と動く
何かを探すように
駆け回る。
ポタリ、と真っ赤な液体が滴る
真っ赤な目が捉えたのは
長い耳が聞いたのは
大事な何か
タン、タン、タン、と軽やかに
ウサギは地面を叩くように駆けていく
ウサギの通った後は
小さな足跡が残っていた
それは血に濡れたように真っ赤だった
一人の少女が
真っ赤なソレを追いかけた
月は泣いた
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます